【イベントレポート】令和7年度 第6回コミュニティイベント「ブランディング・広報」
- 公開日
- 2026/01/31
「誰に、何を届けるのか」から始めるブランディング
鹿児島県が主催する「CHEST」では、県内外で挑戦する起業家や支援者が学び、つながる場として、令和7年度もコミュニティイベントを継続的に開催しています。
1月29日(木)、第6回コミュニティイベントをHITTOBEにて開催しました。
今回は「ブランディング・広報」をテーマに、新しいプロダクトや企業の価値をどのように伝え、社会と関係性を築いていくかについて、トークディスカッション形式で実施しました。

セミナー登壇者紹介
株式会社九州博報堂 地域活性フェロー/エグゼクティブマーケティングディレクター 副田 治 氏
得意先のマーケティング戦略プラニングに携わりながら、地域課題を解決する活動を推進。九州博報堂本社の共創スペース「QHub」開設にも関わるなど、共創型の取り組みを幅広く展開。

株式会社ベクトル マネージャー 西海 翔 氏
大手企業からスタートアップまで幅広い企業に対して、PR視点での統合的なコミュニケーション戦略を支援。IPOに向けた事業成長観点でのPRコンサルティングを得意とする。

ブランディングは「手法」ではなく「前提づくり」
ディスカッションではまず、ブランディングや広報を考える際に陥りがちな「手法先行」の姿勢について問題提起がありました。
登壇者からは、SNSや発信方法といった具体策の前に、「誰に、何を届けたいのか」を明確にすることが不可欠である、という共通した考えが示されました。
ブランディングとは、企業側が一方的にイメージをつくるものではなく、受け手との関係性の中で形成されていくものです。まずは自分たちが解決したい課題や提供したい価値を整理し、届けたい相手を具体化することが重要であると語られました。
広報は「翻訳」であり、関係づくりの手段
広報・PRの役割については、「伝えたいことをそのまま発信する」のではなく、相手にとって意味のある形に翻訳する行為である、という説明がありました。
事業やプロダクトの価値も、受け手の立場や状況によって受け取られ方は大きく変わります。ペルソナを明確にし、伝える内容を絞り込むこと、そして社内で共通認識を持つことが、広報活動の土台になると強調されました。
また、AIや各種ツールの活用についても触れられ、「誰に何を届けるか」という思考部分は人が担い、その上でツールを活用することが効果的である、という現実的な視点が共有されました。

フェーズによって変わるブランディングの役割
ブランディングや広報は、すべての事業フェーズで同じように必要とされるものではありません。
事業の立ち上げ期には、営業やプロダクトづくりが優先される場合もあり、一方で採用や事業拡大、資金調達のフェーズでは、企業としての考え方や姿勢を伝える力が重要になります。
「なぜ今、ブランディングや広報を行うのか」という目的を明確にした上で取り組むことが、無理のない継続につながるという点は、多くの参加者にとって実践的な示唆となりました。
参加者によるライトニングトーク
後半では、参加者によるライトニングトークが行われました。地域課題への思いや、実体験から生まれた事業構想、新しい価値創出への挑戦など、それぞれの立場からの発表が続きました。
人口流出や地域経済への課題意識を起点とした支援事業、クリエイターの活躍の場を広げるためのプロジェクト構想、生活や医療の現場で感じた課題を解決しようとするプロダクト開発など、「誰の、どんな困りごとに向き合うのか」が明確な取り組みが紹介されました。
セミナー後の交流会の様子



交流会初参加者より
「一人で悩むよりも、実際に人と話すことで、自分の想像を超える視点やヒントを得られました。こうした場に参加すること自体が大きな価値だと感じました。」
広報・ブランディングに関する学びとして
「発信方法を考える前に、社内で言葉や価値観を揃えることの重要性に気づきました。誰に聞かれても同じ説明ができる状態をつくることが大切だと思いました。」
まとめ
「伝える」前に、「定める」ことの大切さ
今回のコミュニティイベントでは、ブランディングや広報を単なる情報発信の技術としてではなく、「誰に、どんな価値を届けるのかを定める営み」として捉え直す機会となりました。
立場やフェーズの異なる参加者が同じテーマについて考え、対話することで、自社や自身の取り組みを見つめ直すきっかけが生まれたことも、本イベントの大きな成果です。
CHESTでは、今後もこうした学びと交流の場を通じて、鹿児島における挑戦を後押ししてまいります。
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